天国と地獄の話
天国と地獄は同じ長い箸を使っていて天国は食べさせあって幸せで、地獄は分け与えないから誰も食べられないっていう話が実際の世界でも起きていて、しかも両者は交わらない(仲良くなれない)
地獄の人たちがなぜ分け与えないのかっていうのを私なりに考えたら、全員が「自分があなたより先に食べるに値するから、そっちがまず私に食べさせろ」って言うからじゃないかと思う
問題のある家族はこの地獄パターンに陥ってることが多い気がする
食べ物を尊敬とか信頼、感謝に置き換えることができる
これ、なんで天国側の人が与えることが出来るかっていうと、相手を信頼できる下地があるんだと思う
私が食べさせたら今度はそっちもよろしくね、と伝えることができて、それが実際に返ってくる、その経験があるということ
同等の扱いをされてるししてるということ
逆に地獄側は当然に返ってくる善意、つまり無償の愛を受け取った経験が少ないんじゃないか
自分がもらえないことが当然なのに、人に分け与えることは出来ない、でもそのせいで誰も幸せになれない
自分は下の者と扱われ、上になるためには自分より下に誰かを据えたいと思うこと
家族の中で(他の仲間内のグループの中でも)誰が一番偉いかを決めずにいられない人たちを見ると、この考えがよぎる
自分の役がどれだけ大変か言わずにいられない人たちは、自分がもらえないことが辛くてたまらないので、労りの言葉を誰かから奪い取ろうとしてしまう
なんで与えられる経験がないのかって考えると……育った環境に問題があったからという身も蓋もない場所に辿り着く
天国の人も地獄の人も、それが当たり前と思ってるから自分がどっちにいるのかを考えることはほとんどないんじゃないか
でも、私も、絶対に地獄側の人間だった
今まともな家庭を築けているのは、もちろん相性もあるけど
自分が地獄側の人間と思い精神を病みながらも誰かから奪い取るのはよくないと思えたからと思う
地獄からの脱出は大変でつらくて苦しいけど出来ないことはないと信じたい
空腹で倒れそうな人が他の人たちが食事をもらってるのを見て、もらえた人を殴り、私の方が空腹だと叫んでるんだとしたら、ただ悲しすぎる
与えられないから奪い取る環境が一つでも減ることを本当に望んでいる、肉体的にも、精神的にも。